皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
2015年最初のリードブログのお時間です。
前回は、マーケティングには2つの大きな型があるという話で、
主に「定量マーケティング」について説明しましたが、
今回は「定性マーケティング」についてのお話です。
◆イノベーションの宝庫!定性マーケティング
世間一般でマーケティングと呼ばれ、皆さんもパッと思い浮かべるのが、
前回ご説明した定量(数値的なデータ)の方かと思います。
この手法は、ハズれない企画を作る上では欠かすことのできない重要な手法です。
ですが、一点だけ大きな欠点があり、それは・・・
未来を作るような画期的なアイデアを単独で作る上では不向きである!
という点です。
では、画期的な新しいアイデアを生み出す場合はどうすれば良いのか。
それが、今回説明する「定性マーケティング」の持つ強みなんです。
そもそも「定性」の定義をおさらいすると
定性:グループインタビューなどの会談形式や、「何でその商品を買ったんだろう?」
「どんな気持ちで食べているんだろう?」のような言葉で表しくい部分の
行動心理の観察やそこから抽出された言語的な情報を分析する手法
定性とは言語的で結果から大チャンスにつながるヒントを抽出します
ということでした。
すなわち、簡単に言ってしまうと
・過去のデータの積み重ねや数字・グラフで説明ができて他の人を説得する際の裏付けとして利用しやすいモノが「定量」
・未来を作っていくような企画の起爆剤になりやすい アイデアの種・ダイヤの原石をみつける調査が「定性」
です。
もちろん、各手法にもメリット・デメリットは存在しますが、今回は「定性」についての説明なので、「定性」の良い部分を紹介していきたいと思います。
念のため、メリット・デメリットをまとめたのが下記の図です。
◆定性にこそマーケタ―の鋭さが問われている
先ほど、「定性」は起爆剤であり、未来を作っていくアイデアの種であると説明しましたが、具体的にどういうことかを簡単にお話ししたいと思います。
CASE①あるお菓子メーカーの話
あるお菓子メーカーが新商品のチョコレートを開発する際に、何か新しいコンセプトを持たせようと、10人の女性を集めて「どういう時にチョコを食べたいですか?」と質問しました。
Aさん「私は、仕事の合間に頑張ったご褒美として食べます♪。」
Bさん「う~ん、私も家に帰って一日頑張ったご褒美としてかな?」
Cさん「私は、女友達と分け合うために板チョコを常にストックしてます!」
Dさん「私は、仕事のリフレッシュのため。甘いもの食べると集中できるから」
Eさん「私は、頑張った自分にご褒美です!」
Fさん「私は、お酒、特にワイン飲むときは絶対にチョコです。」
Gさん「私は、毎晩チョコを一つ食べて置き換えダイエットしています。甘いものって満足感があるから。」
Hさん「私もご褒美かな!」
Iさん「私は、甘いもので集中力をチャージします!」
Jさん「確かにお酒にチョコって意外と合うよね~」
少し長いですが、どうでしょうか?ほとんどの女性がチョコレートは「ご褒美」のために食べていると回答しています。
ここで、定量的に企画を進めてしまうと
「ご褒美のためのプレミアムなチョコ」
のような、どこにでもありそうな平凡なコンセプトになってしまいます。
「ご褒美」というキーワードが一時期流行りましたね。
もちろん、その市場に商品を求めている人が存在していることは確かなのですが、すでに誰もが知っている市場、すなわちレッドオーシャンに飛び込むことになりかねません。
他にも、「仕事のリフレッシュ」や「お酒のおつまみ」などの意見も出ていました。
例えば「仕事のリフレッシュ」に着目すると「ストレス社会で戦うあなたに。」のキャッチコピーで話題になったグリコの「GABA」のようなチョコレートにつながるコンセプトが生まれたりします。
この商品も出た当時は、新しいコンセプトがウケて忙しいオフィスワーカーを中心に流行っていたと思います。
2~3年前には、友達同士で送り合う「友チョコ」なんて物も流行りましたね!
その頃は、時代背景的にもカジュアルギフトなんて言葉がキーワードだったという記憶があります。
しかし
ここで、鋭いマーケタ―であれば、たった一人の意見であっても今までになかったような回答であれば絶対に見逃しません。
そう、「置き換えダイエット」のためにチョコを食べているGさんの意見です。
※食べてないよ
鋭いマーケタ―であれば、今の時代のダイエットブームや、置き換えダイエット食品の盛況ぶりなどを踏まえて、このコンセプトはイケるのではないか?などと企画を組み立てていきます。
もちろん、全てのアイデアの起点が、インタビューに出てきた少数派の回答からでなくても大丈夫です。
例えば、街を歩いていた時に偶然見かけた他人の行動であったり、会話でも良いんです。
要は、いかにその偶然見つけた事象をアイデアの種としてピックアップし、尚且つ企画に結び付けられるのか。
以上が、「定性」マーケティングの肝であり、それを操るマーケタ―の技量ということになってきます。
◆まとめ
今回でマーケティングの大きな型についての説明が終わりました。
敢えて2回に分けて説明をしましたが、この「定量」と「定性」は全く別の物ではなく、表裏一体の関係です。
上司を説得したい!という少しお堅い人に対して提案する場合であればパーセンテージなどの数で裏付けの説明がしやすい「定量」を使えば良いですし、
全く新しく発想をジャンプさせたいというのであれば「定性」が向いています。
どちらかが優れている・劣っているという話ではなく、その時その時で最適な方法を取捨選択したり、
両方を上手く組み合わせることで、面白い且つ説得力のある企画がつくれると思います!
Leave a Reply